物価動向の見極め必要、9月・秋の利下げ判断巡り=米シカゴ連銀総裁

米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は15日、今週発表された一連の指標でサービス価格の上昇が示されたことについて、関税が経済に与えるスタグフレーション的な影響を踏まえると、「不安」要因であるとの見方を示した。ニューヨークで4月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
[15日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は15日、今週発表された一連の指標でサービス価格の上昇が示されたことについて、関税が経済に与えるスタグフレーション的な影響を踏まえると、「不安」要因であるとの見方を示した。
グールズビー氏はCNBCで「われわれがまだ理想的な経済政策の軌道を歩んでいるのかを見極めるには、少なくともあと1つ(のデータ)が必要だと感じている」と語った。
その上で「9月の連邦公開市場委員会(FOMC)または今秋の会合で、持続的とみられるインフレスパイラルに陥っていないと確信できれば、経済の堅調さを踏まえると、金利をより適正と考える水準に戻すことが理にかなっている」と述べた。
今週発表された7月の消費者物価指数(CPI)や7月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)では、いずれもサービス価格の伸びが加速した。
グールズビー氏は、最近の指標で示されているサービス価格の上昇について、この原因が関税に起因するとは考えにくいため幾分不安とし、「一時的な現象であることを願っている」とした。
また「1カ月分の輸入物価データ、CPIやPPIに過剰反応することは避けたい」としつつも、これらが「少なくとも懸念材料であることは確かだ」と述べた。
15日に発表された7月の輸入物価指数は前月比0.4%上昇し、前月の下落からプラスに反転した。米政権による関税措置の影響でインフレが加速する兆候が示された。