午前の日経平均は反発、4万3000円回復 円安が支え

前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比387円20銭高の4万3036円46銭と、反発した。写真は2020年10月、東京証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Hiroko Hamada
[東京 15日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比387円20銭高の4万3036円46銭と、反発した。前日の取引時間中に比べて為替が円安方向に振れたことが支えとなり、買いが優勢となった。前日に600円超値下がりした反動で買い戻しが入ったとの指摘もあった。
日経平均は、前営業日比217円高と底堅くスタートした後、一時上げ幅を縮小したが、再び買いが強まり前場終盤に397円高の4万3046円55銭まで上昇した。日米金利の上昇を背景に銀行株や保険株が堅調に推移したほか、指数寄与度の大きい銘柄の一角が買われ、相場を押し上げた。決算を手掛かりにした物色も引き続きみられた。
内閣府が15日発表した4─6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期から0.3%増え、5四半期連続のプラスとなった。輸出や設備投資などが寄与した。年率換算では1.0%増だった。
ロイターがまとめた民間調査機関予測の中央値は前期比0.1%増、年率換算で0.4%のプラス成長で、結果は予想を上回った。
市場では「個人消費や設備投資が堅調なことが確認され、日本株にとっては買い安心感につながる内容だった」(国内証券・ストラテジスト)との声が聞かれた。一方で、「米関税の影響が7―9月期に出てくる可能性もあるため、注意してみなければいけない」(いちよし証券の投資情報部・銘柄情報課課長、及川敬司氏)との指摘もあった。
日経平均は、前日は売りが先行したものの、きょうは買い戻しで底堅い動きとなっている。いちよし証券の及川氏は「株価の基調は強いとみられ、目先は4万円より上の水準での値固めとなりそうだ」と話した。
TOPIXは0.9%高の3085.32ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆8367億2000万円だった。東証33業種では、銀行、非鉄金属、保険など25業種が値上がり。水産・農林、金属製品、空運など8業種は値下がりした。
個別では、前日に業績見通しの引き下げを発表した電通グループが7%超安と大幅下落。銀行株は堅調で、三菱UFJフィナンシャル・グループ、りそなホールディングスが4%超高、三井住友フィナンシャルグループが3%超高だった。
指数寄与度の大きいソフトバンクグループは5%超高と大幅高、ファーストリテイリングは1%超高だった。レーザーテックは6%超高、主力のトヨタ自動車は1%超高だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり670銘柄(41%)に対し、値下がりが887銘柄(54%)、変わらずが64銘柄(3%)だった。