米国向け銅輸出加速へ 関税前に駆け込み=ゴールドマン

7月9日、ゴールドマン・サックスはトランプ米大統領が銅の輸入に50%の関税を課すと発表したことを受け、米国向けの銅輸出が今後数週間で加速するとの見通しを示した。写真は同社のロゴ。ニューヨークで2021年7月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
[9日 ロイター] - ゴールドマン・サックスは9日、トランプ米大統領が銅の輸入に50%の関税を課すと発表したことを受け、米国向けの銅輸出が今後数週間で加速するとの見通しを示した。
トランプ氏の関税発表後、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の銅先物は12%以上上昇し、過去最高値を更新した。
ゴールドマンはメモで、「米国の銅輸入に対する関税の想定をこれまでの25%から50%に変更する。2025年12月限のCOMEXとロンドン金属取引所(LME)間の裁定取引については、買い推奨を継続する」とした。
ゴールドマンは12月限のLME銅先物価格の予想を1トン=9700ドルに据え置いたものの、第3・四半期に1万ドルを超えるリスクは低下したとの見方を示した。
一方で、米国以外の市場では需給逼迫が続いており、LME銅価格の下落は小幅なものにとどまると予想している。
シティも米国が米通商拡大法232条に基づく50%の銅輸入関税を数週間以内に確定し、30日以内に実施すると予想している。
トランプ氏の関税発表について、新たな米国向け銅出荷の機会が急速に閉ざされるとして「25年の銅市場にとって転換点となる」との見方を示した。
米関税により米国外で銅価格の下落を引き起こし、今後3カ月で1トン=8800ドルまで値下がりすると予想した。