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NY外為市場=ドルが対円・スイスフランで上昇、中東の緊張を注視

2025年06月17日(火)06時02分

ニューヨーク外為市場では、ドルが安全資産とされる円やスイスフランに対し上昇する一方、その他の主要通貨に対し下落した。2023年3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 16日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが安全資産とされる円やスイスフランに対し上昇する一方、その他の主要通貨に対し下落した。イスラエルとイランによる攻撃の応酬がより広範な地域紛争に発展する兆候が注視される。また、今週は複数の主要中銀による金融政策決定を控えている。

複数の関係筋によると、イランはカタール、サウジアラビア、オマーンに対し、トランプ米大統領がイスラエルに即時停戦に合意するよう圧力をかけるよう要請。イランは見返りとして、米国との核協議で柔軟性を示す用意があるという。

ドルはこの情報を手掛かりに、対円やスイスフランで上昇。終盤の取引で、ドル/円は0.38%高の144.65円。

ドル/スイスフランも0.8136フランに上昇した。

フォレック・ドット・コムの上級ストラテジスト、デイビッド・ソング氏は「ドルの値固めに加え、リスクに敏感な円やスイスフランにボラティリティーが見られないのは、イランとイスラエルの対立にもかかわらず投資家心理が揺らいでいないことを示している」と述べた。

一方、主要6通貨に対するドル指数は0.25%安の98.02。

ユーロ/ドルは0.23%高の1.1576ドルだった。  

豪ドルは対米ドルで0.6%高、ニュージーランドドルも0.9%高。

米連邦準備理事会(FRB)は17─18日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。利下げは見送られるという見方が大勢で、当局者による政策金利見通し分布(ドットチャート)が注目される。

日銀も17日までの2日間に金融政策決定会合を開くほか、今週は英国、スイス、スウェーデン、ノルウェーの中銀も金融政策決定を発表する。

投資家は、米国と主要貿易相手国による貿易交渉にも神経をとがらせている。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「最大の懸念材料は米国の関税政策」とし、「相互関税の発動期限が7月9日に迫っており、その影響が市場に漂っている」と指摘した。

ドル/円 NY終値 144.72/144.75

始値 144.03

高値 144.87

安値 143.66

ユーロ/ドル NY終値 1.1561/1.1563

始値 1.1575

高値 1.1614

安値 1.1555

ロイター
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