訂正-EUがロシア原油上限50ドル案、カナダG7で提起へ

欧州連合(EU)は、5月20―22日にカナダで開かれる主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で、海上輸送されるロシア産原油の取引価格上限を現行の1バレル=60ドルから引き下げるよう提起する方針を固めた。2023年10月撮影のイメージ写真(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
(ドムブロフスキス氏の肩書を訂正します)
By Jan Strupczewski
[ブリュッセル 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)は、20―22日にカナダで開かれる主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で、海上輸送されるロシア産原油の取引価格上限を現行の1バレル=60ドルから引き下げるよう提起する方針を固めた。50ドル案が有力だ。
欧州委員会のドムブロフスキス委員(経済担当)(訂正)が19日、記者団に「引き下げは対ロ第18次制裁の枠組みの一環として欧州委員会が提起済みの内容であり、他のG7諸国も一定の関心を示し、議論が交わされると期待している」と述べた。
記者団から今回のG7でEUが引き下げ提案をするかと問われた際には「そうだ」と答えた。
同委員(訂正)は新規の価格上限について言及を避けた。ただ、方針概要の説明を受けたEUの複数の高官が50ドルを提案する見通しだと明らかにした。
現在の価格上限は2022年12月にG7とEU、オーストラリアの間で合意した60ドル。ウクライナ侵攻を続けるロシアの戦費調達に打撃を与えると同時に世界的に原油の供給急減をもたらさないように勘案された水準だった。
ただ、ロシアは「影の艦隊」と呼ばれるタンカー船団を活用し、ロシア産油種「ウラル」はこれまで総じて60ドル超の水準で取引された。最近は、第2次トランプ米政権の高関税政策発表を受け、世界的な景気の先行き不安が広がって4月初めに60ドルを下回った。