日経平均は反発、ハイテク株に買い 月間で今年最大の上げ幅

11月30日 東京株式市場で日経平均は、前営業日比165円67銭高の3万3486円89銭と、反発して取引を終えた。写真は2020年10月、東京証券取引所で撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Hiroko Hamada
[東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比165円67銭高の3万3486円89銭と、反発して取引を終えた。米金利の低下を背景にハイテク株の一角がしっかりで、指数を支えた。11月の上昇幅は2600円超と、月間の上げ幅としては今年最大だった。
朝方は月末に絡んで機関投資家などによるリバランスの売りが出たとみられ軟調だったが、下値では買いが入り後場は底堅い展開となった。
日経平均は前営業日比61円安と小安くスタートした。きょうは11月最後の取引で、機関投資家などの売りが出たとみられ、一時160円安の3万3161円07銭まで下落する場面があった。ただ、下値では押し目買い意欲も強く、次第に下げ幅を縮小。後場は小幅高の水準でもみ合う展開となった。
物色動向としては、米金利の低下を好感したハイテク銘柄への買いがみられたが、「半導体株以外は何らかの方向感があるわけではなさそうだ」(国内証券・ストラテジスト)との指摘が聞かれた。
日経平均は底堅さを維持している一方で、「大きなテーマが見当たらず、今は次の手掛かりを探している状況」(SMBC信託銀行の投資調査部長・山口真弘氏)との声も聞かれた。足元の株式市場は来年の米利下げ期待でしっかりとした推移が続いているが、「明日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言がタカ派的な内容になれば、株価に下押し圧力がかかりやすい」(山口氏)という。日本株の動向は、引き続き米金融政策や米金利にらみとなりそうだ、との声があった。
TOPIXは0.44%高の2374.93ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は5兆5792億2500万円と、商いが膨らんだ。東証33業種では、海運、証券、医薬品など26業種が値上がり。パルプ・紙、サービス、水産・農林など6業種は値下がりした。
個別では、アドバンテストが4.3%高、TDKが2.2%高となり、2銘柄で日経平均を65円ほど押し上げた。ファーストリテイリングは小幅高、ソフトバンクグループは小幅安だった。
一方、前日に業績予想の引き上げを発表した伊藤園が7.8%安で軟調。リクルートホールディングスが1.3安、資生堂が5%安だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり1014銘柄(61%)に対し、値下がりが591銘柄(35%)、変わらずが55銘柄(3%)だった。