ニュース速報

ビジネス

米金融システムは「強固」、FRB副議長ら証言へ 監督見直しも 

2023年03月28日(火)08時10分

米連邦準備理事会(FRB)のバー副議長(金融監督担当)は、米規制当局は国内の全ての銀行預金の安全確保に尽力しており、システム保護に向け必要ならばあらゆる規模の金融機関に対して措置を講じる用意があると述べた。2022年7月撮影(2023年 ロイター)

[ワシントン 27日 ロイター] - 米銀行規制当局者は28日、最近の銀行破綻後も金融システムは全体として強固な基盤を保っているものの、将来の破綻を防ぐために政策を包括的に見直すと議会で証言する。

27日公表された準備原稿で、連邦準備理事会(FRB)のバー副議長(金融監督担当)は、銀行システムは「強固で耐性」があり、預金も安全だと指摘。グルーエンバーグ連邦預金保険公社(FDIC)総裁は、米金融システムの状態は堅固であり、ほとんどの銀行で預金者の資金は大きく流出していないと述べる。

一方で、両者とも、今月破綻したシリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー・バンクのような銀行に対する監督方法について、包括的な見直しを進めていることも明らかにする。

米東部夏時間28日午前10時(日本時間同日午後11時)に開催される上院銀行委員会の銀行監督に関する公聴会で証言する予定だ。

2人はまた、比較的大規模な地方銀行に対する要件の強化など、新たな銀行規則を作成中であることを示す。

グルーエンバーグ氏は、FDICが預金保険制度の見直しも行っていると明らかにする。

バー氏はSVBの破綻について、「経営ミスの典型例」であるとし、特化型のビジネスモデルであったこと、成長が非常に速かったこと、金利リスクを管理しなかったこと、無保険預金に依存していたと指摘する。

同氏によると、FRBの監督官は2021年と22年にSVBにいくつかの不備を発見し、最終的に同行の成長に制限を課した。しかし、同行の弱点の全容は3月9日の取り付け騒動まで明らかにならず、根本的な問題に対処するのは経営陣次第であったと説明。「指摘された問題を解決するのは監督当局の仕事ではなく、銀行の上級管理職と取締役会の仕事だ」と証言する。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米スタバ労組、ブラックフライデーにスト拡大 賃上げ

ビジネス

カナダGDP、第3四半期は年率2.6%増 予想大き

ワールド

米国務省、アフガン国籍者へのビザ発給停止

ワールド

スイス国民投票、超富裕層への相続税強化案を大差で否
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批判殺到...「悪意あるパクリ」か「言いがかり」か
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 6
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中