ニュース速報

ビジネス

破綻のシリコンバレー銀、米地銀ファースト・シチズンズが買収

2023年03月28日(火)07時35分

 3月27日、米連邦預金保険公社(FDIC)は、米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズが経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)の買収で合意したと発表した。写真はSVB本部。13日、米カリフォルニア州サンタクララで撮影(2023年 ロイター/Brittany Hosea-Small)

[27日 ロイター] - 米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズは27日、経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)を買収すると発表した。SVBの預金、融資債権、一部資産を引き受けることで管財人である米連邦預金保険公社(FDIC)と合意した。

今月10日のSVB破綻を受けて金融システム不安が高まり、同行の売却入札も不調が続いたが、ようやく買い手が決まったことを受けて市場心理が好転、地銀をはじめ銀行株が大幅高となった。

傘下のファースト・シチズンズ・バンク&トラストがSVBの資産1100億ドル、預金560億ドル、融資債権720億ドルを引き継ぐ。SVBが保有していた証券約900億ドルは、処分のため引き続きFDICの管理下に置かれる。

TDカウエンのアナリスト陣は「SVBの売却先が地銀に決まったことは銀行にとって政治的に有益だとわれわれはみている。地銀大手の問題がメガバンクの助けがなくても解決可能だと主張できるようになるからだ」と述べた。

ファースト・シチズンズは買収に伴い臨時の流動性目的でFDICの融資枠を確保する。また信用損が発生した場合の追加策としてFDICと損失を分担する合意を結ぶ方針とした。

SVBの17の旧支店は、ファースト・シチズンズ・バンク傘下のシリコンバレー銀行として27日から営業開始する。

FDICは、合意の一環として最大5億ドルのファースト・シチズンズ・バンク・シェアーズ株の値上がり益を得る権利を取得したと明らかにした。FDICは3月27日─4月14日にこの権利を行使することが可能だが、どれだけの現金を受け取れるかはファースト・シチズンズの株価によって決定される。

ファースト・シチズンズ株はこの日、53.7%高で終了した。

ホワイトハウスは米国の銀行システムは安全との見解を改めて表明した。

FDICはSVB破綻に伴う預金保険基金のコストが約200億ドルと試算。同基金は銀行部門から徴収した保険料で資金を賄っているため、税金は使われない。

ファースト・シチズンズの資産規模は約1090億ドル、預金総額は894億ドル。今回の合意は、自行の強固な財務内容を保持できるよう設計されたとし、統合後も多様な債権ポートフォリオと預金基盤を有する強靭な状態を維持すると説明した。

SVB買収のニュースで他の地銀株にも買いが入り、経営不安が強まっていた中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクは約12%上昇した。

AJベルの金融分析担当トップ、ダニー・ヒューソン氏は、週明けに新たに救済を必要とする銀行が表面化するとの懸念があったが「確実性がもたらされて緊張が和らいだ」と指摘した。

欧州市場でも先週末に急落したドイツ銀行株が6.2%上昇した。

連邦準備理事会(FRB)のバー副議長(金融監督担当)とグルーエンバーグFDIC総裁は28日の上院公聴会で発言が予定されている。バー氏は議会証言の準備原稿で、米規制当局は国内の全ての銀行預金の安全確保に尽力しており、システム保護に向け必要ならばあらゆる規模の金融機関に対して措置を講じる用意があると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ペトロチャイナ昨年純利益が4.5%減、原油販売価格

ワールド

ロシア石油タンカーがキューバ領海入り、トランプ氏が

ワールド

ASEAN首脳会議、予定通り5月開催 内容は最小限

ビジネス

中東緊迫化、利上げに前向きな意見相次ぐ 基調物価の
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    カタール首相、偶然のカメラアングルのせいで「魔法…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中