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米12月鉱工業生産は予想上回る0.9%増、寒波で電力・ガスが大幅プラス
[ワシントン 17日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が17日発表した2017年12月の鉱工業生産指数は前月比0.9%上昇し、市場予想の0.4%を上回った。
月後半に記録的な寒波に見舞われ、暖房需要から電力・ガスが大幅なプラスとなった。一方、製造業生産は小幅な上昇にとどまり、製造業セクターの緩やかな拡大を示唆した。
電力・ガス需要の強い伸びは、2017年第4・四半期の消費支出の伸びが加速するとの期待を支え、アナリストの間では第4・四半期の米成長率見通しを上方修正する動きも出た。
BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、ジェニファー・リー氏は「底堅い成長ストーリーと整合する結果となった」と述べた。
11月は当初の0.2%上昇から0.1%低下に下方改定された。第4・四半期は年率で前期比8.2%上昇し、10年第2・四半期以来の大きな伸びだった。
17年通年では1.8%上昇で、14年以来の大幅な伸び。
米国の鉱工業生産は好調な世界経済とドル安基調に支えられ、輸出産業が他の主要な貿易相手国より有利な立場となっている。12月の新規受注は04年1月以来の高水準だった。
鉱工業生産の発表後、ドルは主要通貨に対し上昇。米国債相場はほぼ横ばいだった。
12月を項目別で見ると、鉱業は石油やガスの掘削活動が好転したことを背景に1.6%上昇。電力・ガスは前月の3.1%低下から一転、5.6%の上昇だった。
一方、鉱工業生産の70%超を占める製造業は0.1%上昇と、11月の0.3%上昇から伸びが鈍化した。うち、一次金属は1.5%低下、自動車・同部品は2.0%上昇だった。
10、11月分の製造業生産は上方改定され、それぞれ1.5%、0.3%の上昇となった。
第4・四半期では7.0%上昇し、2010年第2・四半期以来の高い伸びとなった。2017年通年では1.3%上昇と、伸びは2012年以来の高さとなった。
設備稼働率は77.9%で、前月の77.2%から上昇。FRBは設備稼働率について、今後の成長余地を測る目安としている。
オックスフォード・エコノミクスの首席米国エコノミスト、グレゴリー・デイコ氏は「減税や底堅い国内外の需要、ドル安、エネルギー価格の上昇、幾分低水準の在庫といったプラスの基本状況を踏まえると、2018年の鉱工業活動見通しは底堅い」と述べた。
*内容を追加して再送します。