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米FOMC始まる、インフレ加速の兆候見極め 9月利上げ示唆も

2016年07月27日(水)04時03分

 7月26日、米FOMCが27日まで2日間の日程で始まった。写真は上院で証言するイエレンFRB議長。6月21日撮影。(2016年 ロイター/Carlos Barria)

[サンフランシスコ 26日 ロイター] - 米連邦公開市場委員会(FOMC)が27日まで2日間の日程で始まった。今回の会合では金利を据え置き、インフレ加速の兆候が確認できるまで、9月または12月まで利上げを見送ると見込まれている。

米連邦準備理事会(FRB)は27日米東部時間午後2時(日本時間28日午前3時)にFOMC声明を発表する。

今回の注目点は、力強い伸びとなった6月の雇用統計に代表される堅調な米指標と、英国の欧州連合(EU)離脱決定や世界経済の減速など、インフレ軌道を脅かす逆風との間でどうバランスを取るかだ。

米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は、必要なのはインフレ率が目標の2%に向かっているとの一段の確信、と指摘している。

FRBが注目するインフレ指標は現時点で1.6%だ。

だが月間の雇用者数が失業率上昇を阻むのに必要な水準以上に伸びていることに加え、生産性が向上する兆しが見えない状況を踏まえると、一部のFRB当局者は、インフレ高進を回避するため早期利上げを主張する公算が大きい。

プリンストン大学教授で、元FRB副議長のアラン ブラインダー氏は「タカ派は利上げを主張するだろう、これは危険だ」とし、「7月会合では、9月利上げの可能性を示唆するとの予感がする」と話す。

一方で、米ニューヨーク連銀のダドリー総裁らは、利上げ前にインフレ加速の確かな兆候を見極めたいとの立場だ。ただ、市場への衝撃や米経済のトレンド反転といった状況にない中、ダドリー総裁などハト派とされる当局者でさえ、金融正常化を慎重に進めることで少なくとも年内1度の利上げが可能との考えを示唆している。

7月の会合後、年内のFOMC日程は9月、11月、12月の計3回。このうち11月は米大統領選の直前のタイミングで、利上げ決定は可能性が低いとの見方が支配的となっている。

ロイター
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