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米FRB、利上げ「慎重かつ緩やかに」実施する必要=ダラス連銀総裁

7月13日、米ダラス連銀のカプラン総裁はFRBがドル高に対し「非常に敏感」になっていると述べた。FRB本部の概観。昨年撮影(2016年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ヒューストン 13日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のカプラン総裁は13日、世界経済に対する向かい風が存在していることは米国の金融政策がやや緩和的であることを示しており、連邦準備理事会(FRB)は雇用情勢とインフレ率がFRBの目標を下回り続けている限り、緩和的な政策を維持する必要があるとの考えを示した。
同総裁はヒューストンで行なった講演で、利上げは「ゆっくりとしたペースで、緩やかに、かつ慎重な」アプローチで実施するのが非常に適切となると指摘。
中国の景気減速のほか、英国の欧州連合(EU)離脱が世界経済、および米経済に及ぼす可能性のある影響を踏まえると、FRBは現在は5、6年前と比べてより慎重に金融政策を調整していく必要に迫られているとの考えを示した。
そのうえで、低金利によりFRBが掲げる完全雇用と2%に設定しているインフレ目標の達成に向け良好な進展」が見られたと評価。ただ、過去10年間で中立金利は低下したとし、これにより現在の低金利政策の効果は薄れているとの見方を示した。
このほか、FRBはドル高に対し「非常に敏感」になっていると指摘。製造業部門と輸出業部門の国内総生産(GDP)に占める割合は低下したものの、ドル高は経済全体に波及的な影響を及ぼすと述べた。
GDP伸び率は2%になるとの見方を示し、この水準ではまだ低いと指摘。現時点での最重要事項は成長の押し上げであり、FRBの責務の範囲外だが、成長押し上げには構造改革が必要になるとの立場を示した。
同総裁は講演後に記者団に対し、FRBは緩和的な政策を慎重、かつ緩やかなペースで解消していく必要があるとあらためて指摘。ただ、利上げのタイミングや年内の利上げ回数などについて憶測することは賢明でないと述べた。