インド税制改革、外資系衣料ブランドに打撃 SUVは減税

9月4日、インド政府が発表した物品・サービス税(GST)改正では、石鹸やスポーツ用多目的車(SUV)などの税率が引き下げられる一方、価格が2500ルピー(29ドル)を超える衣料品の税率は従来の12%から18%に引き上げられ、外資のファッションブランドが打撃を受けるとみられている。ムンバイで撮影(2025年 ロイター/Francis Mascarenhas)
Aditya Kalra
[ニューデリー 4日 ロイター] - インド政府が発表した物品・サービス税(GST)改正では、石鹸やスポーツ用多目的車(SUV)などの税率が引き下げられる一方、価格が2500ルピー(29ドル)を超える衣料品の税率は従来の12%から18%に引き上げられ、外資のファッションブランドが打撃を受けるとみられている。
2500ルピー未満の衣料品の税率は5%に引き下げられる。
調査会社データム・インテリジェンスによると、インドのアパレル産業は市場規模が700億ドルに上り、このうち高級品部門が約18%を占める。高級品部門は新興富裕層やブランド志向の若者の増加によって成長してきた。
今回の増税は、ザラ、リーバイス、ラコステ、PVH、マークス・アンド・スペンサー、ギャップ、アンダーアーマー、ナイキ、H&M、ユニクロなどにとって逆風になるとみられる。
ある外資系ブランドのインド事業幹部2人は、高級品はライフスタイルの向上と考える意欲的な若者が購入しているものの、そうした若者は依然として価格に敏感であるため、今回の増税が売り上げに与える影響を懸念していると語った。
インドで事業を展開する外資系アパレルブランドの最高経営責任者(CEO)は「小売り業界の利益率は非常に薄く、家賃などの経費が極めて高い」とし「以前期待していたような成長は見込めない」と述べた。
高額のSUVは税率が最大50%から40%に引き下げられるなど、今回の税制改革では品目によって対応が異なっている。
インド衣料品製造業者協会は、今回の増税が「業界に死の鐘を鳴らしかねない」と指摘。2500ルピーを超える商品は「一般庶民や中間層にも幅広く購入されている」と述べた。
スーパードライ・インディアのウェブサイトに掲載されている新着商品875点の大半は、新たな税率である18%の対象となる。ジャケットの多くは170ドル以上、シャツは60ドル以上の価格設定だ。
ラコステ・インディアのウェブサイトでは、男性用Tシャツは99ドルもするものがあり、29ドルを下回るものは1点もない。
新しい税率は9月22日から適用される。