ニュース速報

ビジネス

第1四半期の米雇用コスト指数0.6%上昇、伸びは緩慢

2016年04月30日(土)00時50分

4月29日、米労働省は第1・四半期の雇用コスト指数が前期比0.6%上昇したと発表した。市場予想と一致した。写真は2014年5月、米サウスカロライナ州で(2016年 ロイター/Chris Keane)

[ワシントン 29日 ロイター] - 米労働省が29日発表した第1・四半期の雇用コスト指数(ECI)は前期比で0.6%上昇で市場予想と一致した。雇用市場の底堅さは、賃金の伸びの力強さにつながっておらず、米連邦準備理事会(FRB)にとっては、利上げを年後半まで控える裁量の余地を生むかもしれない。

昨年第4・四半期の数字は、0.5%上昇で改定はなかった。

3月のECIは前年同期比では1.9%上昇となり、物価上昇率がFRBの中期的な目標である2%近辺に戻るために必要とされる3%を大幅に下回った。昨年第4・四半期は2.0%上昇だった。

FRBは27日、政策金利を据え置き、金融政策のさらなる引き締めを急がないことを示唆した。FRBは昨年12月、9年半ぶりに利上げに踏み切っている。

28日に発表された第1・四半期国内総生産(GDP)の速報値は米経済が幅広い範囲で減速したことを示した。

雇用市場は比較的底堅く、職探しを諦めていた人たちも市場に戻ってきているが、賃金の上昇は歯がゆいほど遅く、今後も伸びは緩やかなままかもしれない。

雇用は広範な業界で増加しているものの、特にレストランや小売業などのサービス産業に集中している。これらの仕事は、製造業や建設業と比べて給料が安い傾向がある。

政策当局者やエコノミストは、労働市場のスラック(需給の緩み)を測るより良い指標としてECIに注目している。ECIはコア物価を予想する上でも良い指標だとされている。

雇用コストの7割を占める賃金・給与は、前期比で0.7%増と、過去1年で最も大きなプラスとなった。前年同期比は2.0%増だった。昨年第4・四半期は前期比が0.5%増、前年同期比が2.1%増だった。

民間企業の賃金・給与は前期比で0.7%増。昨年第4・四半期は0.6%の増加だった。

全体の諸手当は0.5%増だった。前期は0.6%増だった。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 9

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中