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アングル:ドイツ輸出企業に新興国減速の逆風、業績修正相次ぐ

2015年10月19日(月)14時19分

 10月16日、ドイツ企業がこの数日間に発表した一連の業績予想の下方修正は、良く見積もっても現時点では成長の悪化しか確認できない新興国市場向に対する中小企業の脆弱性を浮き彫りにした。写真はドイツの国旗。ベルリンで昨年11月撮影(2015年 ロイター/Fabrizio Bensch)

[フランクフルト 16日 ロイター] - ドイツ企業がこの数日間に発表した一連の業績予想の下方修正は、良く見積もっても現時点では成長の悪化しか確認できない新興国市場向に対する中小企業の脆弱性を浮き彫りにした。

半導体製造のアイクストロン、自動車部品レオニ、建設機械のワッカー・ノイソン、服飾のヒューゴ・ボスは予想を引き下げ、いずれも新興国市場、とりわけ中国の動向を原因に挙げている。

アイクストロンは、出荷の遅れを受けて中国の1顧客に依存することの危険性について説明する一方、ヒューゴ・ボスは中国からの観光客の消費の冷え込みに伴う販売減に見舞われ、株価は急落した。

フランクフルトの証券会社ICFのHeino Ruland株式ストラテジストは「他の大手企業が中国を理由に業績見通しを引き下げる可能性を排除できない」と話す。

化学大手BASFや工業用ガス大手のリンデは10月の最終週に四半期決算の発表を控えており、中国の業績に与える影響が注目されそうだ。

輸出主導のドイツ経済は欧州諸国で中国との貿易額が最も大きく、ドイツ1国で欧州連合(EU)のアジア向け輸出のほぼ半分を供給している。

ドイツ連邦統計局によると、中国は昨年、ドイツにとってフランス、米国、英国についで4番目に大きい輸出市場で、金額は全ての輸出額の6.5%に相当する745億ドルだった。

中国の今年の成長率に関するアナリスト62人の予想中央値は6.8%で、昨年の7.3%に比べて四半世紀ぶりの緩やかな伸びにとどまると見込まれている。

国内外の需要の低迷と不動産市況の冷え込みが経済活動の重しとなる一方、政府の反汚職キャンペーンも新規プロジェクトの進行に遅れが生じたり、消費が抑制される原因となっている。

バークレイズのアナリストチームは、欧州の工業部門のうち新興国市場で存在感を示す企業が、第3・四半期決算の公表を控えて脆弱とみられると警告した。

同チームは「最近の業績下方修正に共通のテーマというものはないが、マクロ経済の不透明感というものが、顧客が設備投資に対して様子見姿勢を決め込む要因になってきた。第2・四半期に続いて業績の悪化を見込んでいる」と指摘した。

中国共産党は2016─20年の経済および社会運営の青写真となる5か年計画を決める党中央委員会第5回全体会議(5中全会)を26日から29日まで開催する。

ICFのRuland氏は「これが過剰な抑制と不確実性の原因になっている」と分析した上で、計画がまとまればムードは和らぐだろうと付け加えた。

(Harro Ten Wolde and Patricia Weiss記者)

*写真を更新して、再送しました。

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