お茶はタイ グエン、美人はトゥエン クァン

ある日、「私の故郷のお祭りに行ってみない？ とても大きいお祭りがあるの。」と彼女に言われました。彼女はベトナム人で、そう言われたのは付き合い始めてから数ヶ月たった頃でした。

彼女の故郷はトゥエンクァン(Tuyên Quang)というベトナム東北部にある街です。トゥエンクァンがあるトゥエンクァン省の人口は81万人で、ハノイからは渋滞やトラブルが無ければ車で3時間ぐらい、約130kmの所にあります。

ベトナム人の友達や生徒に「彼女の出身はどこ？」と聞かれた時、「トゥエンクアンだよ」と、答えると、皆必ず微笑んで「Chè Thái, Gái Tuyên(チャー タイ ガイ トゥエン)」と言います。これは「お茶と言えばタイ グエン、美人はトゥエン クァン」という意味なんです。タイグエンはベトナムの緑茶の名産地として有名です。

そして美人の名産地はトゥエン クァンと言う事です(笑)。確かに筆者の彼女は美人で頭脳も明晰,運動神経も抜群です。なので、なるほどと思う節もありますが、いつかトゥエン クァンに行って確認しなければいけないと思っていました。

ベトナム北部ではよく"Chè Thái, gái Tuyên"とというようなことが言われるようで、「Thái Nguyênのお茶とTuyên Quangの美女」は名高いようです。確かにTuyên Quang出身の女性は目が大きくてかわいらしい人が多いような印象があります。

-- AnhSao（アンサオ）/のぞみセンター (@anhsao) May 14, 2012

中秋のお祭りとは？

ところで、そのトゥエン クァンの大きなお祭りは、どんなお祭りなの？ 彼女に聞いてみると、中秋節のお祭りなんだという。中秋節は日本だと「お月見」で、日本でお月見は大きなイベントではありませんが、ベトナムでは月餅を食べながら、子供が中心ですが、大人も楽しむ大きなお祭りです。

なんでもトゥエン クァンの中秋節のお祭りは巨大な花車が無数に街を練り歩くお祭りだそうで、ハノイの街中で見かける中秋節のお祭りとはまるで違います。そこで2019年の中秋節にトゥエン クァンへお祭りを見に行ってきました。

お祭りの正式名は「タイントゥエン祭り(Lễ hội Thành Tuyên)」

ベトナムに伝わる昔話をモチーフにしたような花車も多い。(筆者撮影)

祭りの正式名は「タイントゥエン祭り(Lễ hội Thành Tuyên レーホイ タイン トゥエン)」と言います。このお祭りは2004年に始まり、最初は市民が小さい規模で子供を喜ばせるために花車をつくって見せていたのですが、それが毎年重ねるごとに人気となり、花車も大きくなり、台数も増え、現在のような街全体を巨大な花車が練り歩くフェスティバルになったという、市民が作り盛り上げてきたフェスティバルなんです。

日本で言えば、「イベントで地域活性化」といったところです。市民から生まれたお祭りが今や国家を上げての観光事業に成長したというわけです。今や毎年タイントゥエン祭りを見るために、トゥエン クァン以外から多くの観光客がやって来て賑わいます。

大人も楽しむ大規模フェスティバルに成長しましたが、やはり子供を楽しませるお祭りという基本は忘れていません。(筆者撮影)

しかし、ベトナム国内ではよく知られているお祭りに成長しましたが、まだ日本人など外国人にはほとんど知られていません。しかし近いうちに外国人観光客も訪れるお祭りにさらに成長するでしょう。今回は彼女と一緒に見に行って、タイントゥエン祭りの大きさと人気に驚きました。タイントゥエン祭りを見る事が出来てとてもうれしかったです。そんな筆者を見て、彼女は満足げな顔でとても喜んでいました。2020年は新型コロナで中止になりましたが、2021年は市民が作った祭り「タイントゥエン祭り」を、また見に行きたいと思っています。あ、トゥエン クァンの街を歩いている女性ですが、全員が美人という訳では無いと思いました(笑)...!

亀を追うサメ。。。亀とサメの目が白目だけで怖いです(笑)　(筆者撮影)

タイントゥエン祭り /公式ウェブサイト

タイントゥエン祭りと国家無形文化遺産披露会 /VOV World