モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」...イランで続く弾圧と世襲の闇
IRAN CROWNS DESPAIR
モジタバは最高指導者に選ばれた後も公の場に姿を見せていない(写真は2016年にテヘランで撮影) AMIR KHOLOUSIーISNAーWANAーREUTERS
<ハメネイと同じような考えを持つモジダバの最高責任者就任は、イランに「刷新」の気概すらないことを内外示すこととなった>
イランの最高指導者アリ・ハメネイが2月28日にイスラエルとアメリカの空爆で死亡してから8日。イランはその次男モジタバ・ハメネイを新たな最高指導者に選出した。
極めて不透明な形で行われた決定だった。だが、それが制度的手続きを経たものか、あるいは戦時下の権力掌握だったのかにかかわらず、政治的な意味は変わらない。モジタバの選出は、イランの体制にとって大きな転換点だ。
モジタバは長年、陰の権力者としてイラン政界で強い影響力を振るってきた。1989年に父アリが第2代最高指導者に就任したことを受けて政界入りし、水面下で徐々に権力基盤を築いていった。
イランのハシェミ・ラフサンジャニ元大統領は2000年に出版した回顧録に、モジタバが頻繁に政治に介入していたと記している。05年には、強硬派マフムード・アハマディネジャドを勝利させた大統領選はモジタバが仕組んだものだと改革派候補メフディ・カルビが公の場で非難した。
その後もモジタバは責任を問われることのないまま、陰の中で権力を行使し続けた。09年の大統領選不正への抗議に端を発した「緑の運動」では、デモ参加者弾圧の指揮を執った。そのさなか、多くのイラン人が初めて彼を名指しして、こう叫び始めた。「モジタバよ、死んでしまえ。絶対に指導者になるな」
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