補助金悪用に拒否権の脅しまで...EUはなぜオルバン体制を止められなかったのか
HUNGARY AND THE FUTURE OF THE EU
4月の議会選でオルバンの長期政権がついに下野する? BALINT SZENTGALLAYーNURPHOTOーREUTERS
<たとえオルバン首相が退陣しても、問題は残る。EUにとって真に重いのは、加盟国による制度悪用や妨害を今後どう防ぐかだ──>
16年ぶりの政権交代は起きるのか──4月12日に投開票されるハンガリー議会選挙で、オルバン首相率いる与党が苦戦を強いられている。この選挙の結果は、ハンガリーだけでなくEUにとっても極めて大きな意味を持つ。
いまEUが直面している地政学上の最大の課題は、攻撃的なロシアとアメリカからヨーロッパを守ること。ところが、オルバン政権はその足を引っ張り続けてきた。
もし4月の選挙でオルバンが退陣したとしても、EUのリーダーたちはそれでよしとしてはならない。
オルバンがEUに多くのダメージを与えることを許した、EUの数々の制度上の弱点を見直す必要がある。オルバンは、EU加盟国としての権利を悪用してきた。その手法をまねる指導者が今後出現しないとも限らない。
よく知られているように、オルバンはEUの補助金を不当に用いてきた。EU加盟国の国民が納めた税金を原資とする補助金を、ハンガリーの生活困窮者のためではなく、政権に忠誠を誓う財閥に提供してきたのだ。EUが補助金を凍結すると、オルバンはこの動きを利用して、EUをハンガリー国民の敵と位置付けた。
EUが重要事項に関して加盟国に認めている拒否権もオルバンは悪用している。建設的な全会一致の追求を目的とする制度を、ほかの国々に脅しをかける道具として利用しているのだ。






