戦争反対から一変...湾岸諸国が望む「イランの脅威」除去
戦略的ジレンマ
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのファワズ・ゲルゲス氏は、根本的に湾岸諸国は戦略的ジレンマに直面していると分析する。イランからの差し迫った攻撃の脅威と、米国・イスラエルが主導する戦争に巻き込まれるというはるかに大きなリスクの間で、いかに釣り合いが取れるよう対処するかという問題だ。
湾岸諸国が軍事作戦に加わっても、米国には大きな援軍とはならない。その一方で、イランからの報復にさらされる危険だけが大きく増大する、とゲルゲス氏は話す。
結果的に湾岸諸国が選択しているのは「計算された自制」で、主権を守り越えてはならない一線を提示しながら、自ら始めたわけではなく制御も不可能な戦争には踏み込まないという姿勢となっている。
ただイランは事実上、ホルムズ海峡をどの船舶が航行できるかを決定できる立場にあり、これは地域のどの国にとっても決して容認できない。
プリンストン大学近東研究所のバーナード・ヘイカル教授は「イランがホルムズ海峡を封鎖できる力を示した今、湾岸諸国は根本的に(従来と)異なる脅威に見舞われている。もしこれに対処しなければ、危険は長期化するだろう」と警告した。
またヘイカル氏は、世界経済は湾岸諸国の石油・ガスに依存し、その大部分が中国や日本などアジアに向かう以上、アジア諸国も責任を分担すべきだと主張。「中国はソマリア沖の航行の安全維持に貢献した。ここ(ホルムズ海峡)でも協力に乗り出すかもしれない」と述べた。
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