住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で全国の空き家率は急上昇する
30年後には都市部を除く大半の地域で空き家率が20%を超える photoAC
<単身高齢者への賃貸の促進など「需要と供給」を結び付ける対策が必要だ>
日本が人口減少の局面に入って久しい。だが人は減ってもハコは残る。ハコとは住宅のことで、人が住まない空き家の増加が社会問題となっている。倒壊の危険が増す、朽ち果てて景観を悪化させる、さらには犯罪の温床となるなど、地域社会への悪影響は計り知れない。
2023年10月時点の全国の空き家数はおよそ900万戸で、全住宅に占める割合は13.8%となっている(総務省『住宅土地統計』)。この数値には地域差もあり、過疎や高齢化が進んだ地方ではより高い。筆者の郷里の鹿児島県だと20.5%だ。
「そんなものか」という印象にとどまるかもしれないが、未来予測をすると恐ろしい数字が出てくる。未来予測の単純な方法として、過去のトレンドを延ばす外挿法がある。鹿児島県の空き家数は、2003年から2008年にかけて1.221倍、2008年から2013年にかけて1.134倍、2013年から2018年にかけて1.134倍、2018年から2023年にかけて1.103倍に増えた。これら4つの倍率を平均すると1.148倍。過去20年間の空き家の増加速度とみなせる。
今後も5年ごとに空き家が1.148倍増えると仮定すると、2023年の鹿児島県の空き家数は18万4200戸となり、2028年の空き家数は21万1441戸、2033年は24万2710戸......というように導き出せる。

このやり方で空き家数と住宅総数の予測値を出し、前者を後者で割った空き家率を計算すると<表1>のようになる。これによると、2053年の鹿児島県の空き家数は約42万戸で、住宅総数に占める空き家の割合は40.0%となる。県内の住宅の4割が空き家になるということだ。
にわかに信じがたいが、実際にはもっと高くなるだろう。これから先、分母の住宅総数の増加速度は落ちる一方で、亡くなる高齢者の増加により分子の空き家数はより速い速度で増えると考えられるからだ。2050年頃の鹿児島県では、県内の住宅の半分近くが空き家になっているかもしれない。






