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「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官が掲げる「新しいスパイの戦い方」

BRITAIN’S NEW SPY CHIEF

2026年2月20日(金)18時51分
エドワード・ルーカス (ジャーナリスト)

情報収集能力に不安の声

だが、MI6から情報の提供を受ける側からは、そうしたアプローチへの厳しい評価も聞かれる。「がっかりさせられた」と、MI6から報告を受ける立場にあった元外務大臣は私に語った。

MI6のナイジェル・インクスター元副長官は24年、中国に関する情報収集能力が低下していると古巣を厳しく批判。複数の情報関係者が同じような問題意識を口にした。

いわく、敵に関する深い知識が欠けている、相手国の意思決定に携わる人々の中に深く入り込むことの長期的な重要性がおざなりにされている──。

一方で従来型のスパイ活動はほぼ不可能との懸念がある。中国は、生体認証データを集めて、スパイ活動を疑わせる変則的な行動パターンを特定している。ロシアは、MI6の人材募集サイトへの侵入を試みてきた(成功すれば大変な情報漏洩につながる)。

政府の意向に密接に寄り添った情報活動も増えた。ロシアのウクライナ全面侵攻前には、ロシア軍の動きに関する機密情報を公表することで、ロシアを牽制するとともに、差し迫った危機を世界に警告した。

その成功は、かつてトニー・ブレア首相(当時)がイラク戦争を正当化するためにMI6の未確認情報を政治利用したために生まれた不信感を拭う助けになった。

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