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日本経済

高市早苗の圧勝が招くのは「市場の不信感」...政府と投資家の間にある「認識ギャップ」の正体

A Hidden Pitfall

2026年2月16日(月)17時00分
武田 淳 (伊藤忠総研チーフエコノミスト)

問題は、その代わりに、これまで指標としていたプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化の先送りを検討していることである。両指標は、成長率や金利を介して基本的に連動するため、本来は同じ方向に動くのだが、一定の条件を満たせば、プライマリーバランスが赤字でも、政府債務残高のGDP比が改善することがあり、それが盲点となる。

複雑な話になるため詳細は省くが、プライマリーバランスの黒字化は政府債務のGDP比を下げるための十分条件のようなものであり、黒字化の先送りは財政健全化に逆行する。それを知ってか知らずか、政府債務のGDP比を指標にすることで、結果的に改善のハードルを下げようとしているように映る。


こうした財政に関する認識の相違により、市場は財政リスクを意識し長期金利(国債利回り)を押し上げる。10年国債利回りは、高市政権誕生前の1.6%台から2%を超えて上昇しているが、国債市場が織り込む期待インフレ率の動向などを見る限り、その主因はインフレ加速への懸念であり、その一因に先述の過大な経済対策がある。

加えて、日銀が利上げを継続するとの見方や財政悪化への懸念も利回りを押し上げている。それでも現状の2%を若干上回る程度の利回り水準であれば、2%の物価上昇を目指している日本経済にとって、高すぎるというわけではない。今後の財政運営を受けて拡張財政への懸念が一段と強まり、長期金利が3%を超えて上昇、景気回復を阻害する可能性に留意すべきだろう。

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