台湾侵攻を控えるにもかかわらず軍幹部を粛清...世界を困惑させる習近平の「胸の内」

Cleaning House

2026年2月10日(火)14時20分
ディディ・キルステン・タトロウ (国際問題・調査報道担当)

「中国の体制は極度に四角四面だ」。イタリアのシンクタンク、アッピア研究所所長で、中国学者のフランチェスコ・シッシはそう指摘する。まるで文法規則のように決まり切っているので、変事は容易に察知できるという。「軍高官が大量に降格されたり、調査の対象になっている。これほど広範囲の処分が行われているなら、非常に重大な出来事に違いない。クーデターの企てがあったのではないかと推測している」

それが事実なら、習は対抗措置に出たことになる。ただし、こうした見方は解釈の1つにすぎない。


ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、張はアメリカに中国の核兵器の技術データを漏洩したとの説明を、中国の軍当局者らは受けている。だがこの説には、複数の専門家が首をかしげる。中国の縦割りそのものの官僚機構で、張がそれほど詳細な資料にアクセスできたのか、動機は何かという疑問のせいだ。むしろ、張の失脚は習が権力強化を図った結果ではないかという。

「かつて習は(ドナルド・)トランプ(米大統領)に『米中関係を改善する1000の理由がある』と言った。張の国家機密漏洩疑惑についても、張を陥れる1000の理由がある」と、シンガポール経営大学のヘンリー・ガオ教授(法学)はX(旧ツイッター)への投稿で述べた。

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軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

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