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「20年後、トランプに感謝することになるかも...」――ディール外交にさらされるカナダ・中南米の行方は?

RESETTING THE WORLD

2026年2月6日(金)14時30分
トム・オコナー (本誌米国版外交担当副編集長)

ペトロ大統領(コロンビア)

コロンビアのペトロ大統領。麻薬密輸対策をめぐる米国との交渉が焦点となるなか、ボゴタでの式典に臨んだ(2025年12月) AP/AFLO

「応分の責任分担」を促す

トランプの派手な言動の陰には冷徹な実利主義と、取引主義的な本性が隠れている。

実際、トランプ政権はベネズエラでのマドゥロ拘束作戦の後、戦争を継続することもなければ、ベネズエラの体制転換を目指すこともしていない。


ベネズエラに対してさらに敵対的な行動を取る可能性を公然と口にしてはいるが、マドゥロ政権下で副大統領を務めていたデルシー・ロドリゲスにチャンスを与えて、アメリカの要求に従わせることでよしとしたようだ。

「政権2期目の主な関心は、広義の西半球にある。トランプ政権は何かをやろうと議論するだけでなく、実際に行動する」と、1期目に西半球担当国務次官補を務めたキンバリー・ブライアーは本誌に語る。「トランプはアメリカの外交を討論クラブとは考えていない」

既に成果は表れているようだと、ブライアーは言う。例えばメキシコは、「フェンタニルと麻薬カルテルの対策において、近年で最も積極的な取り組みを行っている」。ただし、「肝心なのはそれが十分な成果を生むかどうかだ」。

1月初めにメキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は、24年10月の就任以降、国内の1日当たりの殺人件数が40%減少したと明らかにした。組織犯罪との戦いの進展をトランプにアピールする狙いもあるだろう。コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領もトランプとの電話会談で、麻薬密輸対策がうまくいっていることを強調した。

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