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カナダ

予測可能な独裁者の方が気まぐれ暴君よりまし

CANADA BETS ON CHINA

2026年2月4日(水)06時00分
ジェームズ・パーマー (フォーリン・ポリシー誌副編集長)
貿易協議後、北京の日壇公園で記者会見を行い、新たな外交方針を語るカーニー REUTERS

貿易協議後、北京の日壇公園で記者会見を行い、新たな外交方針を語るカーニー REUTERS

<アメリカとの「古い関係」を解消し貿易で対中協力を模索>


▼目次
中堅国の団結で大国に対抗

カナダと中国は1月16日、より包括的な貿易協定に向けた合意を発表した。カナダは中国製の電気自動車(EV)に最恵国待遇の税率を適用し、中国はカナダ産農産物に対する報復関税を引き下げるという内容だ。

カナダは2018年にトランプ米政権の要請を受け、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の副会長、孟晩舟(モン・ワンチョウ)を逮捕。中国は報復として2人のカナダ人を拘束した。今回の展開は、両国関係が悪化した時期と比べると隔世の感がある。

アメリカの右派や対中強硬派はカナダの「裏切り行為」を非難するだろう。しかしトランプ2期目の最初の1年が終わった今、カナダやEUが中国との距離を縮めるのは非常に合理的な判断である。

中国はアメリカが撤退するグリーン経済への移行を今なお掲げるグローバルリーダーだ。そればかりかカナダのマーク・カーニー首相が今回の訪中で述べたように、アメリカより予測可能なパートナーでもある。

率直に言えば、カナダにとっては海の向こうにいる理性を保った独裁国家のほうが、気まぐれな暴君が支配する隣国よりもましなのだ。グリーンランド危機はカナダに残酷なまでに突き付けた。今のアメリカはかつてのアメリカとは違う、と。

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