「テスラ超え」BYD、来年夏に軽EV「ラッコ」投入へ...日本車の独壇場が荒らされるかも
WANG CHUANFU
ALEXANDER POHLーSIPA USAーREUTERS
<新車販売の4割を占める日本の軽市場に、安価な自社製電池という武器を引っ提げ、中国資本が参入してくる>
ファーストネームの伝福は文字どおり「幸運をもたらす」という意味だが、王伝福(ワン・チョアンフー)(59)は近々日本の自動車業界に幸運どころかビジネス上の「存立危機」をもたらしそうだ。
王は中国の電池・電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)の創業者・CEO。同社は世界のEV業界の勢力図を塗り替えつつある。さらに王は、これまで外国勢が付け入る隙のなかった日本の軽自動車市場に殴り込みをかけようとしている。
中国東部・安徽省の農村部に生まれた王は早くに両親と死別。それでも刻苦勉励して大学で冶金物理化学を学び、1995年に約3万ドル相当の借金をしてBYDを創設した。当初は電池メーカーだったが、やがて自社の電池で走るEVを開発。今や中国政府が普及を後押しする「新エネルギー自動車」(NEV)の世界的大手として不動の地位を築いている。2025年1〜11月には約418万台のNEVを販売。同時期のテスラのEV販売台数約122万台を大きく上回った。
日本では新車販売に占めるEVの割合はハイブリッド車も含め3%足らずにすぎない。BYDはこのブルーオーシャンに乗り出そうと、日本専用の軽EV「ラッコ」を開発。26年夏の発売予定で、目下日本全国に着々とディーラー網を築いている。





