「対テロ」を掲げて「政権転覆」へ?――トランプ介入でベネズエラは泥沼化するのか

Risky Business

2025年12月24日(水)19時30分
トム・オコナー (本誌米国版外交担当副編集長)

軍事介入に伴う課題の多さは、サダム・フセイン大統領(当時)の失脚後も血みどろの反乱が長く続いた03年のイラク侵攻だけでなく、22年に始まったロシアのウクライナ侵攻とも比較できる。

07年から09年にかけてのイラクへの米軍増派時に現地で指揮したマーク・ハートリング退役陸軍中将は、最近の論文でこの点を詳述している。

「22年2月、ロシアはウクライナ政府の転覆を意図し、一気呵成に首都を攻略しようと試みた。ミサイル攻撃と空爆、特殊部隊による襲撃、装甲部隊の突撃を集中的に行い、数日以内にキーウを占領する計画だった」とハートリングは書く。

「ロシアはウクライナが屈服し、すぐ政権交代が実現すると確信していた。しかし実際には、ウクライナの指揮中枢は機能し続け、防空システムは適応し、政治指導部は結束を強め、国民は抵抗のために立ち上がった。地理的条件、回復力、そして揺るぎない決意が、計画された72時間の作戦を数年に及ぶ戦争へと変貌させた。この戦争は現在も継続中であり、ロシアに多大な代償を強いている」

そして「ベネズエラの地理と政治構造」が、マドゥロ政権にも現在のウクライナ政府と同様の「戦略的深み」を与えると論じ、こう記している。

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