「対テロ」を掲げて「政権転覆」へ?――トランプ介入でベネズエラは泥沼化するのか

Risky Business

2025年12月24日(水)19時30分
トム・オコナー (本誌米国版外交担当副編集長)

「かなり高度に都市化された国で、人口の大半が北部・中部の沿岸地帯に密集している。北部のオリノコ川以北には良好な道路網が整備されているが、その南側には広大な熱帯雨林とサバンナが広がっている。西部はアンデス山脈北東部の尾根が占めており、メリダ市付近では標高4500メートル以上に達する」

「もう1つの重要な点は、都市部と農村部の一部でさまざまな武装集団が地域を支配していることだ」とガンソンは付け加えた。

「左翼武装集団は複数の都市のスラムに深く根を下ろしており、ELNのようなコロンビア系のゲリラ集団は国境地帯を支配し、ボリバル州北部の鉱山地帯で強力な存在感を示している。また重武装した犯罪組織もあり、彼らも新政権による法の支配には徹底して抵抗してくる」

マドゥロ政権崩壊後にはアメリカが新政権を支えるはずだが、その場合でも「米軍や他の外国軍がベネズエラ国内の治安維持のために兵士を派遣する可能性はない」とガンソンは言う。つまり「新政権は現在の警察や治安組織に依存せざるを得ない」。

しかし「彼らは各地の武装集団を取り締まる一方、裏では手を組むことで、どうにか治安を維持している」とガンソンは指摘する。

「警察自体も深刻な腐敗にまみれ、装備も訓練も不十分で、仮に野党指導者(でノーベル平和賞受賞者の)マリア・コリナ・マチャド率いる新政府ができたとしても、素直に協力するとは思えない」とも言う。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏 、 ホルムズ海峡に多くの国が軍艦派遣と

ビジネス

イラン情勢注視続く、FRB金利見通しも焦点=今週の

ワールド

イスラエル、レバノンと数日内に協議へ ヒズボラと戦

ワールド

北朝鮮の金総書記、多連装ロケット砲の発射訓練視察=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 2
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 3
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 4
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 5
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 6
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 7
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈…
  • 8
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 8
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中