「対テロ」を掲げて「政権転覆」へ?――トランプ介入でベネズエラは泥沼化するのか

Risky Business

2025年12月24日(水)19時30分
トム・オコナー (本誌米国版外交担当副編集長)

ただし限定的な軍事行動でも、マドゥロ政権に相当な打撃を与えることは可能だろう。03年の「衝撃と畏怖」作戦では地球の反対側のイラクで、海上からのミサイル攻撃だけで敵軍の戦意を喪失させた。

米陸軍戦略大学の戦略研究所で中南米を専門とするエバン・エリス研究教授によると、ベネズエラ軍兵士の多くはおそらく「そもそも正統性を欠く指導者のために無駄死にしたくないから、本気で向かってはこない」。そうであれば、普通なら米軍が初期段階で直面するであろうリスクは大幅に削減される。

ただし「空母やプエルトリコの基地、あるいは米国本土から飛び立った固定翼機による内陸部への空爆となると、標的に接近するまでに数分間の追加飛行時間が必要となる」とエリスは本誌に語った。

また内陸部の制圧作戦で海兵隊や特殊部隊がヘリコプターや垂直離着陸機V22オスプレイで移動するにはもっと時間がかかるし、低空飛行時には携帯式対空ミサイルで撃墜される恐れもある。

「(内陸部の)オリノコ盆地などでは、車両での進軍は非現実的かもしれない。オリノコ川流域のコロンビアやアマゾン川流域では、海兵隊や特殊部隊も経験したことのないような川伝いの進軍を余儀なくされるだろう」とエリスは言う。「ウクライナの平原と違い、密林地帯に潜む敵を無人機で発見するのも難しい」

ただし以前に米国務省で中南米カリブ海地域を担当していたエリスは、ベネズエラ軍の戦力は過大評価されているとみる。

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