最新記事
トランプ政権

DOGE崩壊...イーロン・マスクの「無能な大ナタ」が招いた無様な最後に乾杯

DOGE’S WASTE AND BLOAT

2025年12月4日(木)10時00分
グレン・カール(本誌コラムニスト、元CIA工作員)
テクノロジーマニアの「無能な大ナタ」が招いた無残な最期 Beata Zawrzel via Reuters Connect

テクノロジーマニアの「無能な大ナタ」が招いた無残な最期 Beata Zawrzel via Reuters Connect

<トランプ政権が「現代のマンハッタン計画」と称して発足させた政府効率化省(DOGE)は、イーロン・マスクの指揮のもと、大胆な政府機能縮小に乗り出した。しかし、急速で拙速な改革は混乱と反発を招き、同省はわずか数カ月で人知れず解体された。残されたのは、欠落した政府機能と深刻な人命被害だった>


▼目次
DOGE若手たちが残した「ずさんな記録」の実態

トランプ米大統領が鳴り物入りで発足させ、起業家のイーロン・マスクが初めて政治の現場に乗り込んで指揮を執った「政府効率化省(通称DOGE)」は、当初の威勢のよさはどこへやら、人知れず寂しい終幕を迎えた。

DOGEでは、20代の若いテクノロジーマニアたちが権限を与えられ、容赦なく、そしてあまりにも大ざっぱに政府機能と政府職員に大ナタを振るったが、彼らの無能ぶりには目も当てられなかった。連邦人事管理局のスコット・クポー局長は最近、DOGEはもはや「存在していない」と述べ、同機関が既に解体されていることを認めた(マスクは5月に既に退任済み)。

しかし、トランプ政権は今も、保守系シンクタンク、ヘリテージ財団が2023年に発表した政策提言「プロジェクト2025」に沿って、2つの主要テーマを追求している。その2つのテーマとは、連邦政府の規模を大胆に縮小することと、行政府の権力を全て大統領府に集約することだ。

DOGEは今年1月20日、第2次トランプ政権が誕生した当日に発足した。トランプは毎度おなじみの大風呂敷を広げ、この取り組みを「現代のマンハッタン計画」と呼んだ。マンハッタン計画は、第2次大戦時に広島と長崎に投下された原子爆弾を開発・製造したプロジェクトのことだ。

マスクは当初、連邦政府の予算を少なくとも2兆ドル(予算の約30%)削減するという目標を掲げた。また、政権発足時には、連邦政府機関の全廃や連邦政府職員の4分の3の削減を目指すとぶち上げた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

JDI、車載ディスプレーの事業分割を中止 一体的に

ビジネス

アングル:中東緊迫化、日銀は物価リスク警戒 難易度

ビジネス

独BMW、関税の影響で今年も減益へ 販売台数は横ば

ビジネス

ホンダ、四輪事業で特損計上し一転今期赤字予想 最大
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 8
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中