追跡:消えた「ルーブルの盗品」の行方...アントワープ「盗品売買ビジネスの地下世界」その全貌
麻薬とダイヤモンドの結びつき
欧州第2の港湾都市アントワープはコカインの密輸組織とも闘っており、違法な宝飾品取引がその苦闘に輪をかけている。市は2021年、ダイヤモンド・宝飾品業界を監視する専門警察部隊を正式に設立した。市長室は当時の報告書で「不正な宝飾業者と犯罪的な麻薬環境との強い結びつき」を警告した。
警察官らによると、多くのジョージア系宝飾業者やインド系ダイヤモンド業者の間にある「オメルタ(沈黙の掟)」が捜査を困難にしている。
ルーブルの盗品がアントワープにある可能性は?
アントワープでは盗品の販売は迅速かつ容易だと、2人の警察官は語る。
宝飾業者は金や宝石、時計を査定し、価格を提示して未申告の現金で支払う。購入されたが最後、品物は姿を消す。裏部屋にある溶解炉はプリンターほどの大きさで、金は溶かされて携帯電話サイズの1キロの延べ棒に変わるという。
しかし今回のルーブルの盗品は、アントワープの宝飾業者でさえ危険過ぎて取り扱えない代物かもしれないと、警察官の1人は語った。
ルーブルの宝飾品の多くは、土台が金ではなく銀で、溶解しても価値が低い。巨大なサファイアやダイヤモンドは一目で分かるため、小さなコミュニティであるアントワープの宝石カット職人や研磨業者は手を出さないだろう。真珠の潜在的な買い手もごくわずかだ。
「手軽に儲かる話ではない」と警察官の1人は述べた。
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