信頼揺らぐBBC...「受信料制度」の存続に黄信号
内部メモのリーク
英デイリー・テレグラフ紙は先週、BBC元顧問マイケル・プレスコット氏が作成した内部メモの抜粋を公表した。
プレスコット氏のメモは、組織として左派寄りの偏向があらわになった編集上の問題点をリスト化。最も深刻な例として、昨年11月の米大統領選直前に放送したドキュメンタリー番組「パノラマ」が、トランプ氏の2つの演説を切り取ってつなぎ合わせ、あたかも同氏が2021年1月の連邦議会襲撃を直接扇動したように印象付けたと指摘した。
トランプ氏はBBCに法的措置を取ることを示唆している。トランプ氏の弁護士は、14日までに番組が撤回されない場合、少なくとも10億ドル以上の補償を求める訴訟を起こすと9日にBBCへ通知した。
BBCは10日、番組編集を巡って「判断の誤り」があったとの認識を示し、対応を検討中だとしている。
英紙サンデー・タイムズの元政治担当記者だったプレスコット氏はメモを作成した動機について、編集上の問題が露呈した際のBBC経営陣の行動に「絶望」したからだと明かす。
BBCのメディア担当記者と政治番組司会者の話では、内部メモを巡る報道への対応で、ニュース部門の幹部は謝罪を表明したがったが、理事会がこれを阻止したという。
BBCのシャー理事長は、理事会は謝罪を阻止しなかったが、対応を決める時間がほしかったと説明している。
シャー氏は、各理事はさまざまな意見を有し、活発な論争を行っているとしながらも、デイビー氏らの辞任を内部統率のための「クーデター」だったとする一部メディアの報道を「空想的だ」と明確に否定。トランプ氏の演説を巡る編集姿勢には謝罪しつつ、BBCニュースのDNAと文化は中立的で、各種世論調査からは英国民はどのメディアよりもBBCニュースを信頼していることが分かっていると強調した。





