157兆円市場に膨張したイタリアのギャンブル市場...裏で進む依存症とマフィアの浸透
オンラインギャンブルの拡大
イタリアは過去20年間で国民のギャンブル支出が急増。新型コロナウイルスのパンデミック後には前年比15%超のペースで増え続け、24年には総額1574億ユーロに達した。
世界最大のオンラインギャンブル企業フラッターは21年にイタリアのシサルを買収。国内大手のロットマティカは業績が好調で、20年から24年にかけて収入が5倍に増え、9月にはミラノ証券取引所の主要指数に組み入れられた。
昨年のギャンブル関連の税収は115億ユーロと前年の116億ユーロからわずかに減ったが、アルコール関連の14億ユーロ、タバコ関連の145億ユーロと比べて引き続きかなりの額となっている。専門家によると、24年にギャンブル関連の税収が減ったのは税率が低いオンラインギャンブルが拡大し、税率の高いスロットマシンやスクラッチくじといった対面型ギャンブルが低迷したためだという。
依存症対策に取り組む「イル・カンミーノ」の活動家エミリアーノ・コンティーニ氏は、ギャンブルの全面禁止は現実的ではないものの、社会が支払っている「代償」にもっと正面から向き合うべきだと訴えている。「04年から24年の間にギャンブルの総額は約250億ユーロから1570億ユーロ超へと跳ね上がった。しかし税収は約70億ユーロから115億ユーロにしか増えていない。果たしてこの賭けは本当に割に合うのだろうか」と疑問を投げかけた。
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