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ギャンブル依存症

157兆円市場に膨張したイタリアのギャンブル市場...裏で進む依存症とマフィアの浸透

2025年11月10日(月)11時00分
イタリア中部の都市ピサにある依存症治療クリニックを訪問する依存症患者

11月5日、 元鉄道職員のルチアーノさん(69、偽名)がイタリア中部の都市ピサにある依存症治療クリニックに足を踏み入れた時、長年のギャンブル生活の果てに残っていたのは身につけている服だけで、それ以外のもの──家族と暮らした家、貯金、そして尊厳──は全て失われていた。写真は10月、ピサで取材に応じるルチアーノさんとフランチェスコさん(2025年 ロイター/Remo Casilli)

元鉄道職員のルチアーノさん(69、偽名)がイタリア中部の都市ピサにある依存症治療クリニックに足を踏み入れた時、長年のギャンブル生活の果てに残っていたのは身につけている服だけで、それ以外のもの──家族と暮らした家、貯金、そして尊厳──は全て失われていた。

「カジノや競馬など、あらゆる賭けにのめり込んだ。欧州中のカジノを巡って全財産を使い果たした。全て溶かしてしまった」と、彼はロイターに話した。


イタリアは欧州最大のギャンブル市場となりつつあるが、ルチアーノさんの窮状はその背後にある暗い現実の一端を表している。オンラインやスマートフォンの普及に伴い、ギャンブル市場に誰でも容易に手を出すことができるようになった。

イタリアはギャンブル産業が英国、ドイツ、フランスを上回る成長を示し、カジノの総粗収益(顧客から集めた賭け金総額から事業者が支払った賞金を引いた額)は2024年に215億ユーロ(250億ドル)に達した。

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