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ナイジェリア

トランプがアフリカ最大の国に軍事介入を示唆――「キリスト教徒を守る」の真意は

Will US Invade Nigeria? What Military Intervention By Trump Could Look Like

2025年11月5日(水)17時23分
エリー・クック

実際、中米の南カリブ海ではトランプの命令で麻薬密輸対策のため軍備が強化されている。ベネズエラのマドゥロ政権に退陣を促す圧力との報道もある。

ただし、遠方での軍事介入に対するアメリカ国内の世論は冷ややかで、ナイジェリアへの大規模な展開に説得力のある根拠を示すのは難しいとの見方が強い。

「米軍が地上あるいは空爆で実際に関与する可能性は極めて低いと思う」とオジェは述べた。

「テロで命を落とす人々の大半はテロの主戦場となっている地域に住むイスラム教徒。『キリスト教徒を虐殺から守る』という建前で介入するのは非常に繊細な問題だ。実際には、両方のコミュニティが無差別に標的にされている」と、彼は付け加えた。

ナイジェリアではキリスト教徒とイスラム教徒の人口がほぼ半数ずつで、伝統的宗教の信者も一部存在する。

ボコ・ハラムはイスラム国家の樹立を掲げて政府と戦っており、これまでにキリスト教徒や教会、さらには自分たちの信条と異なるイスラム教徒も攻撃の対象としてきた。天然資源をめぐる争いが絡むことも多い。

2014年には、ボコ・ハラムがナイジェリア北部の学校から276人の女子生徒を拉致。このうち少なくとも91人が現在も行方不明または消息不明のままだ。

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