トランプが自身の実績として誇るガザ停戦には問題山積み...停戦を「持続」させるのに必要なこととは

What’s Next for Gaza?

2025年10月21日(火)15時15分
トム・オコナー(本誌米国版外交担当副編集長)

既にハマスが息を吹き返した兆しもある。アルハティブに言わせると「軍事的解決も政治的解決もない現状が続けば、ガザの生活再建を担える唯一の現実的な勢力としてハマスが再浮上することになりかねない」。

パレスチナ自治政府の出番はないのだろうか。この政府は90年代のオスロ合意でパレスチナの正式な統治機関として設立されたが、数多くの内部問題を抱えている。もう20年近くも選挙をやっていないし、幹部や役人の腐敗も深刻だ。ヨルダン川西岸におけるイスラエルの入植地拡大とパレスチナ人への暴力を止めることもできていない。


自治政府の重要な役割

だがアルハティブのみるところ、パレスチナ自治政府は今もハマスを武装解除し、ガザに巣くう武装勢力の犯罪インフラを解体するに足る「非常にプロフェッショナルな」治安部隊を維持している。

「十分な支援と人員、職務権限と活動の自由が与えられれば、パレスチナ自治政府はそれを引き受けることができると私は信じている」とアルハティブは言う。「だが、その能力の構築には時間がかかる。ただファタハが戻ってくるのではなく、社会制度や国家を建設する国際的な体制に組み入れる必要がある」

しかし時間は限られている。アルハティブによれば、「たとえ実務的な委員会が動き出しても、急がないと穏健で中立的なパレスチナ人にとってのチャンスはなくなる」。

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