一日も持たずに辞任した仏首相を再指名したマクロンの真意は? フランスが抱える難題を解決できるのか

マクロン大統領は首相再指名の奇策に出たが BENOIT TESSIERーREUTERS
<マクロンは、組閣の数時間後に辞任したルコルニュを再指名するという奇策に出た。この奇策は吉と出るか凶と出るか>
昨年1月以降、首相が4回も代わったフランスで、またも騒動が勃発した。
10月6日、就任から1カ月足らずのルコルニュ首相が辞表を提出。新首相指名か議会解散か自らの辞任かを迫られたマクロン大統領は、10日に異例にもルコルニュを再指名した。
財政悪化と国際情勢の不安定化という二重の難題を抱えるマクロン政権の危機は厳しさを増す。
国民議会(下院)は昨年夏の総選挙で極左、中道、極右の3つの勢力が議席を分け合い、いずれも過半数に届いていない。ルコルニュは5日に閣僚人事を発表したが、顔触れはバイル前内閣とほぼ変わらず。与野党双方の猛反発を浴び、組閣の数時間後に辞任に追い込まれた。
世論調査で首位に立つ極右の国民連合から解散総選挙を求める声が上がるなか、マクロンは8日、48時間以内の新首相任命を表明していた。だが辞任首相の再登板だけでは、混迷を抜け出す糸口は見つかりそうにない。