最新記事
日本政治

「玉木首相」も視野に?...揺れる与野党の駆け引き

2025年10月14日(火)12時38分

野田佳彦代表が週末のテレビ番組で「のりしろを持って協議に応じてほしい」と秋波を送ったのに対し、玉木氏はSNSで即座に「安保政策は1ミリの揺らぎがあってもいけない。譲る譲らないの話ではない」と反発。国民民主幹部は「例え立民と協力体制を築いてもすぐに瓦解するのは目に見えている」との姿勢を崩していない。


 

政策ごとの連携がメインシナリオに

立民と国民民主の連携が不発となれば、短期的には「スーパー少数与党」となった自民と、国民民主や維新、公明などによる政策ごとの連携がメインシナリオになりそうだ。実際、公明関係者は「来年度予算編成までは我々にも関わってきた責任がある」と述べており、自民との協力に前向きな姿勢を示している。

玉木氏は13日、高市氏が診療報酬や介護報酬の積み増しを表明していた点を念頭に「全国の病院経営が厳しい。(高市氏が)そういう政策をするなら協力したい」と語った。高市氏の首相就任を想定した発言とみられる。自身が「(首相)ポストにはこだわらない」とも強調した。

高市氏が首相就任を果たし国民民主が自民に影響力を保持する状況が続けば、「責任ある積極財政」を掲げる高市氏の基本路線は維持されるとみられる。

「玉木首相でも」の声 高市氏は難しい判断に

一方、中期的な動きはさらに混迷を深める。自民内には政策ごとの連携を短期間にとどめたいとの思惑がある。昨年10月に発足した石破茂政権が政治とカネの問題に端を発して大型選挙で敗北を重ね、予算や法案成立のために野党への譲歩を重ねた結果、独自色を失うジレンマに陥った記憶があるからだ。「玉木首相でもいいから維新も巻き込んで安定政権を目指すべきだ」(参院議員)との声も少なくない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有

ビジネス

FOMCが焦点、0.25%利下げ見込みも反対票に注
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中