また政府閉鎖、それでも経済は止まらない...米統計の空白が政策判断を揺らす
この直近の政府閉鎖期間には、一時帰休になった政府職員の失業保険申請が短期的に増加する事態も見られたが、労働市場全体に影響が広がったわけではない。労働省のデータからは、政府閉鎖期間中の失業保険新規申請者数ないし失業率に目立った変化は起きなかったことが分かる。
グローバルXの投資戦略責任者を務めるスコット・ヘルフスタイン氏は「政府閉鎖は不便で混乱をもたらす。だが実体経済に著しい影響を及ぼすという証拠は乏しい。通常、当初は経済活動に有意な損失が発生しても、次の四半期には帳消しになる」と指摘した。
悩みは残る
もっともそれで投資家や政策担当者の悩みが消えるわけではない。
例えばFRBは今月28─29日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)までの間に経済情勢、とりわけ最も関心を向けている労働市場と物価の動きに関する手掛かりを集めて政策決定しなければならない。
ところが政府閉鎖が続く限り、3日の9月雇用統計を含めた重要な政府データを確認できない事態に陥りかねない。
シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は9月30日のFOXビジネスで「われわれが経済の推移を見極めようとしているまさにその瞬間に、政府統計を入手できないというのは苦痛だ」と嘆いた。


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