最新記事
北極航路

中国が北極航路で欧州へ初航行、日本の港を迂回する「北極エクスプレス」

China Opens ‘Arctic Express’ Shipping Route to Europe

2025年9月29日(月)13時52分
マイカ・マッカートニー

中国・山東省の青島港のコンテナターミナル(9月25日) Costfoto/NurPhoto

<アジアと欧州間の海上輸送時間を半減、日本の港湾を経由する必要性が低下する可能性も>

中国のコンテナ船が北極航路を通じて欧州へ向かう初の定期航行に乗り出した。北京はこの試みを「北極エクスプレス」と称し、航行時間は従来の海上ルートのほぼ半分の18日間を予定している。

◾️北極エクスプレスの航路(赤のライン)
newsweekjp20250929050634.png

中国の国営メディア「環球時報」によれば、この新ルートは寧波、上海、青島、大連などの港と、オランダのロッテルダム、ドイツのハンブルク、ポーランドのグダニスクといった欧州の港を結ぶ。

この航路は、従来利用されてきたスエズ運河経由(約40日)や喜望峰経由(約50日)のルートよりも大幅に短く、鉄道輸送(約25日)とも競争できる。気候変動によって、かつて氷で閉ざされていた北極海の北東航路(ノルウェーおよびロシア沿岸を通るルート)の海氷が融解し、通行が可能になったことが背景にある。

もはや試験運航の時期は終わった。リベリア船籍の定期運航コンテナ船「イスタンブール・ブリッジ」を北極ルートに投入することで、中国はアジアと欧州間の物流の構造を変える意思を明確に示した形だ。欧州向けの輸出入において、日本の港湾を経由する必要性が低下する可能性がある。

資産運用
「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒れる今こそ投資家が目を向ける「世界通貨」とは
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イラン戦争は2週目に、トランプ氏「無条件降伏」求め

ビジネス

アングル:欧州で若者向け住宅購入の新ビジネス、価格

ワールド

焦点:道半ばの中国「社会保険改革」、企業にも個人に

ワールド

昨年の関税合意実施を米と確認、日本が不利にならない
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だったはずの中国が、不気味なまでに静かな理由
  • 2
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 3
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗雲...専門家「イランの反撃はこれから」「報道と実態にズレ」
  • 4
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 5
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 6
    10歳少女がライオンに激しく襲われる...中国の動物園…
  • 7
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 8
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 9
    【WBC】侍ジャパン、大谷翔平人気が引き起こした球場…
  • 10
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 9
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中