トランプが自賛する和平仲介は不完全...南カフカスで対立が再燃しかねない
New Era in the Caucasus
それでも和平合意の大まかな輪郭はかなり前から明らかになっていた。双方が互いの「領土の一体性」を認めること(ナゴルノカラバフのアゼルバイジャンへの帰属も含む)、国境を線引きし直し、国際法廷への訴訟を取り下げ、外交関係を正常化することだ。これらについてはおおむね合意がまとまったと、3月に発表されていた。今後両国はアメリカの仲介の下、交渉を重ねて細部を詰め、条約の草案を作成することになる。
現状では多くの問題が未解決のまま残されている。なかでもアゼルバイジャンがアルメニアに求めている2つの要求については、両国の主張は平行線をたどってきた。
地域の新時代が始まる
アゼルバイジャンはアルメニアの西隣に位置する自国の飛び地ナヒチェワンに向かう直通ルート(アルメニア領を横切ることになる)を確保したがっている。加えてアルメニアが憲法を改正してナゴルノカラバフの主権を完全に放棄することも求めている。
こうした問題が解決され、平和が実現すれば、地域の人々は大きな恩恵を受けるはずだ。アゼルバイジャンはナゴルノカラバフ問題に頭を悩まさずに済み、アルメニアはナヒチェワンに向かう回廊を押さえるためにアゼルバイジャンが攻撃を仕掛けてくる悪夢から解放される(米政府はここに「国際平和と繁栄のためのトランプ・ルート」と名付けた回廊を建設する計画を提案している)。





