バングラデシュの悪夢──ハシナ政権の崩壊後1年、軍と過激派が支配し経済も破綻の危機
A SOUTH ASIAN TIME BOMB
かつてバングラデシュは、イスラム多数派国家でも世俗民主主義が可能であることを示していた。コロナ禍以前は、経済発展と社会の安定を見事に達成していた。だが今では、かつて独立のために長年にわたって戦った相手のパキスタンのように、軍の支配の下で機能不全に陥る危険がある。
バングラデシュと国境を三方で接し、この国から数百万の移民が押し寄せた隣国インドは、ハシナ前政権の崩壊がもたらす危険性を即座に認識したが、アメリカは暫定政権を支持した。
しかしこのままでは、アメリカ主導の「自由で開かれ、繁栄と安定を享受するインド太平洋」を目指す努力にも深刻な障害となる。もしも国際社会に民主主義、信教の自由、地域安定を守る気があるのなら、バングラデシュの転落に目をつぶっている余裕はない。
ブラマ・チェラニ
BRAHMA CHELLANEY
インドにおける戦略研究・分析の第一人者。インド政策研究センター教授、ロバート・ボッシュ・アカデミー(ドイツ)研究員。『アジアン・ジャガーノート』『水と平和と戦争』など著書多数。
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