ニュース速報
ビジネス

米マクドナルド7─9月期、割安メニュー効果で堅調 既存店売り上げ増

2025年11月06日(木)02時57分

米ファストフードチェーン大手マクドナルドが5日発表した2025年7─9月期(第3・四半期)決算は、世界の既存店売上高が3.6%増だった。8月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Savyata Mishra

[5日 ロイター] - 米ファストフードチェーン大手マクドナルドが5日発表した2025年7─9月期(第3・四半期)決算は、世界の既存店売上高が3.6%増だった。LSEGがまとめたアナリスト予想平均3.55%を上回った。割安セットなど手頃な価格のメニューにより、需要を取り込んだ。

調整後純利益は23億1000万ドル、1株当たり3.22ドル。前年同期の23億2000万ドル、1株当たり3.23ドルをわずかに下回った。

マクドナルドは格安セットの「5ドルミール」を1年以上続けるなど、低所得層の需要回復に向けたマーケティングを展開。9月にはフランチャイズ加盟店と連携して全国でセットメニューの割引率を15%まで引き上げて標準化する取り組みを開始した。ただ、マクドナルドからの資金援助が縮小すれば、加盟店にとって大幅な割引の継続は困難になるとの指摘もある。

マクドナルドの幹部は、家賃や食費などの必需品の価格が高騰し、低所得層に重くのしかかっていると指摘。クリス・ケンプジンスキー最高経営責任者(CEO)は決算後の電話会見で「実質所得が圧迫されていると感じている消費者層がいる限り、大きな変化があるとは予想しない」と語った。

10月に実施した「モノポリー」ゲームのプロモーションの好調さも追い風となり、 第4・四半期には米国の既存店売上高の伸びが加速すると見込んでいる。

Eマーケターのアナリスト、ザック・スタンボー氏は「チポトレ・メキシカン・グリルのような高価格帯のチェーン店が消費者の買い控えに直面する中、マクドナルドはコスト意識の高い消費者の財布のひもを緩めた。プロモーションは実を結んでいるようだ」と指摘した。

最大市場である米国の既存店売上高は2.4%増。現地パートナーが店舗を運営する事業部門の売上高は、日本がけん引して4.7%増。このほか、ドイツとオーストラリアなども堅調だった。情報分析会社Placer.aiのデータによると、マクドナルドの7─9月期の来店客数は3.5%減と、業界の2.3%減に比べ大きな落ち込みだった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米10月ISM非製造業指数、52.4と8カ月ぶり高

ビジネス

米BofA、利益率16─18%に 投資家に中期目標

ワールド

トランプ関税の合憲性、米最高裁が口頭弁論開始 結果

ビジネス

FRB現行政策「過度に引き締め的」、景気にリスク=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇の理由とは?
  • 4
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 7
    若いホホジロザメを捕食する「シャークハンター」シ…
  • 8
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中