ゾウがミャンマー内戦で重要な役割を果たしている「実態」...密猟が野放しになっている現実も
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抵抗勢力がゾウ使いを支援
ゾウは自然の生息地で最もよく成長するため、ゾウ使いとその家族はゾウと共に移動し、ジャングルの奥深くで野営することもある。そのため紛争地域では、彼らとゾウは深刻な危険にさらされる。戦闘の間は、銃声やドローンの音、突然の騒音でゾウが怯えるため、ゾウの管理が困難になる。
国内各地で抵抗勢力の兵士らが、ゾウ使いとその家族が安全のためにジャングルから「解放区」へ移動するのを支援している。一方で、ゾウを餌探しや交配のために森に放し、その後キャンプへ誘導して戻すことをゾウ使いに課している。
NUG高官によると、各抵抗勢力は状況を「綿密に監視」し、「CDMゾウ」を保護するために必要な措置を講じているという(CDMとは、21年のクーデター後に始まった「市民不服従運動」を指す)。
「ゾウが森へ自由に出入りできれば、人間が食料を与える必要はなく、栄養補助食品を与えるだけでいい。ゾウ使いがゾウを良い放牧地に誘導し、定期的にキャンプに戻ってくるようにできれば、ゾウにとっても有益だ」とこの高官は述べる。「ゾウ使いたちは、この役割を効率的にうまく実行している」
ミャンマー語で「ウージー(oozie)」と呼ばれるゾウ使いと使役ゾウは、ザガイン管区、中央部マンダレー管区の一部地域、シャン州北部とバゴー管区の出身だ。
「2、3日ごとにゾウの健康状態を確認している。森に放すかキャンプに戻すかは、主に天候に左右される。各検査の後に健康上の問題が見つかった場合は、森に戻す前に必要な措置を講じている」と前出のゾウ使いのゾー・ルウィンは語った。