最新記事
核兵器

急ピッチで進む中国の核軍備拡大。なぜ核弾頭を増やしているのか?...米ロ中の核軍拡レースが始まった

China Leads World Nuke Buildup

2025年7月1日(火)14時55分
プラフラダ・シン(インド空軍力研究センター研究員)

newsweekjp20250701044051.jpg

習近平は「世界一流の軍隊」の建設を目指している(23年夏のBRICSの会議) DPAーREUTERS

中国の核弾頭の威力は今も正確には分かっていない。旧型のミサイルはメガトン級の弾頭を搭載できるとみていいが、新型の長距離ミサイルは数百キロトン級の核攻撃に使用されるとみられ、さらに低出力の小型核が搭載される可能性もある。

中国の核戦力には東風26など核弾頭と通常弾頭の両方を搭載できるミサイルも含まれる。東風26の約半数は通常弾頭搭載用とみられている。


「アメリカのほうが脅威」

中国は地上配備型に加え、海上配備型の核兵器の増強も進めている。094型弾道ミサイル原子力潜水艦を改良し、長距離射程のSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)である巨浪(JL)3を発射できるようにしたのもその一環だ。中国は既に6隻のSSBN(弾道ミサイル原子力潜水艦)を運用していて、72発のSLBMを発射できる。配備済みの潜水艦に搭載されている旧型のJL2を長距離射程のJL3に入れ替える作業も進んでいて、JL3は096型など次世代型潜水艦にも搭載される。

中国は戦略爆撃機の開発にも力を入れている。そこからうかがえるのは、多目的の任務に使える最新鋭の核兵器の導入を目指していること。SIPRIによると、近々配備される新型ミサイルには、既に製造され厳重に保管されている推定132発の核弾頭が搭載されるという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

マクロスコープ:インテル出資で孫氏「逆張りの賭け」

ワールド

中国、インドのレアアース需要への対応約束=印関係筋

ワールド

韓国大統領、サムスンなど企業幹部と会談 トランプ氏

ビジネス

日経平均は3日ぶり反落 最高値更新後に利益確定 方
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    「これからはインドだ!」は本当か?日本企業が知っ…
  • 9
    アラスカ首脳会談は「国辱」、トランプはまたプーチ…
  • 10
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 6
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 8
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 9
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 10
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中