最新記事
注目ニュースを動画で解説

200年前にもトランプ級の「悪夢の大統領」が?...歴史に学ぶ「関税と恐慌」の仕組み【アニメで解説】

2025年6月18日(水)18時07分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
大恐慌時の失業者たちとドナルド・トランプ大統領

ニューズウィーク日本版YouTubeより

<アメリカも昔は関税「弱者」だった? 性急な行政措置と大統領令でアメリカ経済を破滅に導いた大統領とは──>

19世紀初頭以降、6回もの恐慌を経験したアメリカ。そのうち5回は「関税」や「禁輸措置」で引き起こされたことをドナルド・トランプ米大統領は忘れてしまったのか?

トランプ発「第7の恐慌」に備えて、アメリカの歴史から「関税と恐慌」の仕組みを学んでおこう──

本記事では、本誌YouTubeチャンネルの動画「トランプも今すぐ学ぶべき【関税と恐慌の仕組み】...「第7の恐慌」は目の前に【アニメで解説】」から「第1・第2の恐慌」「第3の恐慌」のパートを抜粋して紹介する。

◇ ◇ ◇

アメリカを最初の恐慌が襲ったのは1816年。前年、ナポレオン戦争に勝利したイギリスが軍用に契約していた毛織物を投げ売りすると、安価な毛織物がアメリカに大量に押し寄せた。

newsweekjp20250618083041.jpg

これを受けて、アメリカはイギリス船の入港と安価なイギリス製品の輸入を制限。イギリスもこれに報復する形で、アメリカ船によるカリブ海イギリス植民地への穀物輸送を阻んだ。

アメリカの小麦価格は暴落。農民のローン・地元の商店への借金返済が滞り、地元の商店は都市部の業者への支払いが滞り、と連鎖的に経済が悪化し、1819年には「第2の恐慌」が始まった。

アメリカ「第2の恐慌」

アメリカを「第3の恐慌」に突入させたのは、第7代大統領のアンドリュー・ジャクソン(民主党)だ。国際貿易上の性急な行政措置で経済を混乱に陥れた。

第7代アメリカ大統領アンドリュー・ジャクソン

「第3の恐慌」は、アメリカ南部の奴隷を労働力とした綿花プランテーションを巡って引き起こされた。

当時の綿花農園の拡大資金は「信用取引」の連鎖によって賄われており、イギリスの投資家や7つの銀行「セブン・シスターズ」の資金を、第2合衆国銀行が借り入れ、為替手形を発行して地方の小規模な銀行に融資。

newsweekjp20250618090000.jpg

銀行はその資金を奴隷商人に貸し付けた。

newsweekjp20250618090031.jpg

その資金で奴隷商人は奴隷を買い、アメリカ南部の綿花農園に売っていた。

newsweekjp20250618090051.jpg

金利はイギリスの中央銀行、イングランド銀行が決めていたため、ロンドンで金利が上がれば奴隷所有者は土地や奴隷を変えなくなるといった懸念から、ジャクソンは奴隷所有者のイギリス融資への依存脱却を目指す大統領令に署名。

政府資金の預託先を民主党系の州公認銀行に変更し、農民が米土地管理局へのローン返済のために銀行の融資を受けることを禁じ、金貨での支払いを強制するなど強硬策を取った。

イングランド銀行もイギリスの資金はアメリカに流れ出るのを嫌って金利を引き上げ、7行の国際為替取引を一時停止。これにより恐慌が始まり、アメリカでは5年間で7つの州が州債の償還不能に陥った。


■より詳しい内容については動画をご覧ください。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

豪外相、イランでの軍事活動に不参加を表明

ワールド

ホルムズ海峡の事実上の封鎖、世界の石油市場に重大な

ビジネス

UBS、エルモッティCEOの任期延長を計画=スイス

ビジネス

午前の日経平均は反落、米・イスラエルのイラン攻撃を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作曲家が「惨めでもいいじゃないか」と語る理由
  • 4
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報…
  • 5
    「本当にテイラー?」「メイクの力が大きい...」テイ…
  • 6
    【銘柄】「三菱重工業」の株価上昇はどこまで続く...…
  • 7
    【銘柄】「ファナック」は新時代の主役か...フィジカ…
  • 8
    米・イスラエルの「イラン攻撃」受け、航空各社が中…
  • 9
    「高市大勝」に中国人が見せた意外な反応
  • 10
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 5
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 8
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 9
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中