「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波、独身を選択した世界の若者は何を思う

A SINKING FEELING

2025年6月12日(木)17時20分
アリス・コリンズ(本誌記者)

newsweekjp20250612030249.jpg

ケーススタディー③ ユィ・ツーティン(29、中国)のケース ZITING YU-SHENZHEN(※写真をクリックすると彼女の事情が読めます)

今は「女性のルネサンス期」

つまり今は「女性にとってのルネサンス期」だとバウズマンは言う。「女性はどんどん力を付け、自らのキャリアを築こうとしている。そしてキャリアの選択肢として、主婦になるという選択にはマイナスのイメージがあるのではないか。なにしろ今の若い女性は、何でも自分のなりたいものを目指せるのだから」

出生率が下がり続けるとどうなるか。合計特殊出生率が一国の人口を維持できる水準の2.1を下回れば、いずれ人口は減少に向かう。例えばイギリス(イングランドとウェールズ)の出生率は23年に1.44と過去最低に落ち込んだ。イタリアは1.18で、政府は「非常事態」を宣言した。スペインはもっと低く、最新データによると1.12だ。


アジアも深刻だ。韓国は0.75で、既に世界最低水準にある。日本は最新の統計で1.15。総人口は14年連続で減少を続けており、このままだと695年後に国内の子供は1人になるとの試算もある。そのため政府は、30年代に入るまでになんとかしないと少子化を止められなくなると警告している。

中国でも出生率は7年連続で減少し、24年にわずかに上昇したものの、婚姻件数は前年比20.5%減の610万組にとどまった。そのため、法律で定められた婚姻可能な年齢(男性22歳、女性20歳)の引き下げを求める声も出ている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中