「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波、独身を選択した世界の若者は何を思う
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また米メリービル大学の社会学者ケント・バウズマンによれば、現代は若者が「大人」になる時期が遅くなっている。大学を出ても学生ローンの返済に追われ、収入が少ないから親元へ戻ることが多い。だから20代前半で一人前になるわけではなく、結婚する時期を遅らせることになる。経済的に自立するまでに以前よりも時間がかかるから、それまでは恋愛どころではない。
バウズマンは言う。「独身のままでいる、または恋愛関係は先送りにするという決断は単なる個人の選択ではなく、もっと大きい社会的な力に影響されている。今や、結婚は通過儀礼ではなく人生の終着点になってしまった。低賃金で生活費にも事欠くような状態で結婚に踏み切れるわけがない。だから恋愛にも手を出さない」
「経済構造の変化で結婚時期が遅れ、単身者が増えているのは事実だが、ITデバイスへの依存が増えて人間関係が希薄になっているのも事実だ」とバウズマンは指摘。その結果、若者たちは「充実した人生」を自分なりに解釈し直し、もはや結婚&子育てという伝統的な夢を「当然とは見なさなくなって」いる。
女性のエンパワーメントも、こうした変化の大きな要因だ。その気になれば、今は女性だって何でもできる。そう思うから期待が膨らむ。会社で出世を目指すのもいいし、世界中を旅して回るのもいい。いずれにせよ自分の生き方は自分で決める。そんな女性が増えてきた。