最新記事
アメリカ政治

「MAGA」から「YOLO」「TACO」「FAFO」へ...トランプ略語で読み解く「アメリカ相場」

2025年6月4日(水)12時53分
トランプ大統領

トランプ大統領の2期目が始まって4か月が経過した。同氏は「MAGA(米国を再び偉大に)」など目を引く略語を好んでおり、市場関係者は自らも略語を編み出して取引現場で広く使い始めている。Sipa USA via Reuters Connect

トランプ大統領の2期目が始まって4か月が経過した。同氏は「MAGA(米国を再び偉大に)」「DOGE(政府効率化省)」「MAHA(米国を再び健康に)」といった目を引く略語を好んでおり、市場関係者は自らも略語を編み出して取引現場で広く使い始めている。

これらの造語は特定の投資戦略を示すものではないが、トランプ政権下の市場で重要とされるボラティリティーや不確実性といった要因を表現しており、投資判断の際に考慮すべき要因を浮き彫りにしている。


 

一部の造語はトランプ氏の経済・通商政策および外交目標を利用しようとする投資戦略を表している。市場や貿易相手国がトランプ氏の提案に反応する中で生じた経済への影響や、同氏の突然の方針転換をネタにしたものもある。

「MAGA」というスローガンに基づいて展開された「トランプトレード」の貢献により、S&P総合500種は2月に終値ベースで過去最高値を更新した。だが現在では通商政策への懸念から米株、ドル、米国債がともに軟化しており、ほとんど話題になっていない。

「選挙後には『YOLO(You Only Live Once、人生は一度きり)』という言葉をよく耳にしたが、特定の投資テーマで大きなリスクを取ることを推奨している造語のように思えた」。B・ライリー・ウェルスのストラテジスト、アート・ホーガン氏はこう語った。

この「YOLO」は、仮想通貨など勢いのある資産を追い求める一連の戦略に見られた、トランプトレードの一端を示す略語だった。「この表現は一時的に流行したが、従来の投資助言の原則とは相容れない」とホーガン氏は続けた。

近ごろ市場で注目されている略語をいくつか紹介する。

経営
「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑むウェルビーイング経営
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 5
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中