最新記事
ブルキナファソ

SNSで大人気の「プーチンの盟友」...アフリカ最年少指導者は英雄か新たな独裁者か?

The Young Putin Ally Winning Hearts Across Africa: Who Is Ibrahim Traoré?

2025年5月26日(月)16時30分
アミール・ダフタニ
戦勝80周年記念式典への参加のためロシアを訪問しプーチンと握手するトラオレ

戦勝80周年記念式典への参加のためロシアを訪問しプーチンと握手するトラオレ(5月9日) Alexei Nikolsky/Host agency RIA Novosti/Handout-REUTERS

<34歳で実権を掌握したブルキナファソのトラオレ暫定大統領。アフリカ全土へと人気を拡大させた背景にある「AI」と「燃える演説」とは>

2022年9月、ある若者が全世界の注目を集めた。西アフリカのブルキナファソでクーデターを起こし軍事政権を打倒したのは、イブラヒム・トラオレという若干34歳の青年だったのだ。

同年だけで2回の軍事クーデターが起こったブルキナファソで、トラオレはアフリカ最年少の国家元首として大統領に就任。主権の回復と西洋の植民地的影響の排除を誓い、祖国を超えてアフリカの人々の心をつかんでいくことになる。


「トラオレは、各国で『民主主義』と称される体制の腐敗にうんざりしている若者層に響く革命的なメッセージを発している」と米タフツ大学のチディ・オディンカール教授(アフリカ研究)は分析する。

セネガル・トンブクトゥ平和研究所のババカール・ンジャイ上級研究員は「アフリカでは従来の指導層に対する根深い不満があり、西洋というスケープゴートに向けられた怒りが一層激しくなっている」とトラオレのような指導者が台頭するアフリカの現状を指摘する。

一方、トラオレは権威主義的傾向を見せており、西アフリカの民主主義と人権の将来に対する国際社会からの懸念を招いてもいる。

テクノロジー
「誰もが虜になる」爽快体験...次世代エアモビリティが起こす「空の移動革命」の無限の可能性
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、鉄鋼・アルミ関税50%に引き上げ表明 

ワールド

日鉄は「素晴らしいパートナー」とトランプ氏、買収承

ビジネス

アングル:トランプ関税、世界主要企業の負担総額34

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 6
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 7
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 8
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 9
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 10
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中