最新記事
新型コロナウイルス

コロナ「武漢研究所説」強調する米政府の新サイト立ち上げで、窮地に立たされる「あの人物」

Fauci Faces Anger, Support Over Trump's COVID Lab Website

2025年4月21日(月)19時00分

2023年の米情報機関による分析では、新型コロナが動物由来であるか、または研究所事故によって発生したかについては、いずれも決定的な証拠が不足しており、結論には至らないとされた。

さらに、機密解除されたCIAの報告書でも、パンデミックは中国・武漢の研究所に起源がある可能性が最も高いとされているが、研究所起源説と自然起源説の両方が依然としてあり得るとされている。

ファウチ自身も、2024年6月3日の公聴会(米下院監視・説明責任委員会特別小委員会)でウイルスの発生源について、発生原因は未だ証明されていないため、自然起源説と研究所流出説の両方に対してオープンな姿勢を持っていると述べた。


しかし、新しいウェブサイトでは、ファウチが「ウイルスは自然起源だという自説」をごり押ししようとしたと述べ、最初のパンデミックが発生した中国の武漢市には、バイオセーフティレベルが不十分な状態でウイルス研究を行っていた研究所が存在していたとも記載している。

加えて、ファウチを含む公衆衛生当局が「矛盾したメッセージ、拙速な対応、透明性の欠如」によって米国民を誤導し、他の治療法を「極悪非道なもの」と見なし、研究所流出説を軽視したとも非難している。

新型コロナの対応に当たったファウチは非難の的になり、陰謀論まで囁かれるように

新型コロナの対応に当たったファウチは非難の的になり、陰謀論まで囁かれるように Phil Pasquini-shutterstock


18日にウェブサイトが更新された後、共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州)は「集団免疫こそがロックダウンに代わるべき対策だった。ワクチンを作るためにウイルスを作るのは危険で致命的であり、それは科学ではない。ファウチと関係者は人道に対する罪で起訴されるべきだ」と主張。

米食品医薬品局(FDA)に対し、すべての新型コロナワクチンの承認を取り消し、小児向けの予防接種スケジュールから即刻除外するよう求めた。なお、グリーンは、6月の公聴会でもファウチに対し同様の主張をしている。

また、ファウチを以前から批判していた作家のジェフ・カールソンもX(旧ツイッター)に、ファウチとその取り巻きがパンデミックを隠蔽したと述べ、「彼は刑務所に入るべきだ」と投稿した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国大統領、サムスンなど企業幹部と会談 トランプ氏

ビジネス

日経平均は3日ぶり反落 最高値更新後に利益確定 方

ビジネス

アングル:米中の関税停止延長、Xマス商戦の仕入れ間

ビジネス

訂正-午後3時のドルは147円後半でもみ合い、ボラ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    「これからはインドだ!」は本当か?日本企業が知っ…
  • 9
    アラスカ首脳会談は「国辱」、トランプはまたプーチ…
  • 10
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 6
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 8
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 9
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 10
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中